試製軽戦車 ケニ(A型)
BA-3518

実車概要
 「ケニ車が速やかに整備されておれば?」との疑問を持つのは容易であるが、その答えを見出すのは難しい。

 九五式軽戦車に代わるものとして、火力、装甲、機動性のより優れた軽戦車が要求され設計されたのが「ケニ車」である。
 九五式軽戦車に比べ一回りコンパクトに仕上げられているが、反面装甲厚は最大16oと増加している。これは大陸において米軍のM2重機にハ号が抗堪し難い現実を踏まえてのものであり、設計当初から良好なる避弾経始が重視されたためである。(しかし、やはり抗堪は困難である)
  機動性の面ではハ号と異なり3組、6個の転輪を備え不整地走破能力が向上した。また、ハ号では車外に配置されていたコイルスプリングが車内に配置されるなど防禦上の配慮に余念がない。
 発動機は130HPの100式統制型6気筒空冷ディーゼルが搭載され、55km/hの快速を誇った。
 ポテンシャル面ではハ号を凌駕していたが、ハ号の成功により用兵側は、新型軽戦車に興味を示すことはなかった。
また、国軍戦車体系内の規定にて複数の機動戦車を制式化するのは承認し難い処もあった。
しかし、九五式軽戦車が戦車として活躍するのは困難な状況になりつつあるのは明白であり、新型軽戦車の整備案が浮上した。
  整備にあたって搭載火砲を100式戦車砲から一式戦車砲への変更が考慮され、これらの試験も実施された。
  しかし、砲塔内部容積の狭さと砲塔内要員が2名なのが災いし、判定は不可であった。
 新型軽戦車が「九八式軽戦車」として整備されるのは以上を踏まえて改設計された後の事である。(本車を「九八式軽戦車 前期型」と称するのは明らかに誤謬である)  


ARMOR MODELBA-3509How to order?BA-3539