太平洋戦争開戦前の昭和15年春より検討が始められた中戦車の武装強化案の一案。
すでに47粍砲搭載車の改修内容や榴弾効力の向上等は決定していたが、依然として廉価性に拘泥し別案を摸索していた。
当初の開発案に基づき、対戦車砲である試製一式37ミリ速射砲を用いて作製された２門の試製砲の内一方はチハ車に装載され、 もう一門は試験架台上にて九〇式五糎七戦車砲に 架載され昭和17年2月に判定試験が実施された。
その砲口初速は800m/Sを超え、機能抗堪性は良好で期待に違わぬ物であったが47粍砲搭載車の要が急となった為、判決として以後の試みの 継続は破棄された。
過去に仮定は不毛であるが「もし、47粍砲搭載車の要が急でなかったら？」と思慮せざるを得ない。
所謂「新砲塔」とは別の火力強化案として耳目に値する。

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